雀魂プレイヤーの集い

雀魂非公式不完全未攻略無読本その2「先手リーチより強い後手リーチは有り得るか」

 今回取り上げる内容は雀愉の魂天プレイヤー「どら」さんからの質問に答えてのものです。

本人からの質問

<やりたいこと> 先制リーチを打てる状況で「敢えて」ダマとし、他家から先制リーチを吊りだした際の損得を明らかにすること

<動機> 先制リーチが強いと広まった現状、先制リーチを打てる状況で「敢えて」ダマとする選択に妙味があると考えている。 根拠は、下記の通り、先制・追っかけリーチの閾値の違い。 ■先制リーチは、リーチを打つ閾値が比較的低い。 ■追っかけリーチや、相手のリーチに対して聴牌を維持する閾値は、比較的高い。

↓ 比較的低い閾値を乗り越えた手牌(いわゆる、それほど価値の高くない手牌)で先制リーチを相手に打たせる という戦略。 自分が先制リーチを打っていたら、本来発生しなかったリーチ(後手番を踏んだ場合にはリーチするほどではない)というものをダマで引き出すことで、「分の悪い相手を引き出す」というものがどの程度有効なのかを知りたい。

<特記事項> 本件、私の中では、「後の先をとる」という考えで取り組んでいます。(イメージは、カウンターの方が近いのかもしれません) おそらく、戦術書にもほとんど記載が無さそうな話題ですが、ご存じのことがあればお教えいただけますと幸いです。

 一般的に選択A(先制リーチ)が有力であるとされる場合に、それに反する選択B(カウンター狙いのダマ)について検証する場合は、Bが有利になりそうな仮定を置いてみることが肝心です。Aの有利性ばかりに目を向けていては、もしBが有力な局面があっても気付くことができません。B有利な仮定でもAが有利という結論になれば、なおのこと自信をもってAを選択すればいいわけです。

 カウンター狙いのダマについて考察するのですから、先制リーチが圧倒的に有利になるようなダマ2翻のケースはふさわしくありません。ダマテンにしているうちにツモってしまうと大損してしまいます。

 逆に、ダマでも6翻(跳満)あるとなると、「カウンター狙いも可能」という要素を考慮せずともダマ有利という結論になるので、やはりふさわしくありません。

 よって、局収支のうえではリーチ有利だがダマと大差ないダマ4翻リャンメン待ちのケースを考えてみることにします。

 カウンター狙いの利点を最大限に活かすうえでも、先制リーチをすると全員が降りる仮定でまず考えます。前回取り上げたように、残りツモ9回でリャンメン聴牌。他家が完璧に降りた場合の和了率はおよそ50%になります。

 一方、他家の先制リーチに対して安牌を切ってリャンメン待ちで追いかけリーチした場合、和了:放銃の割合はおよそ3:1になるとされます。意外と割の良い勝負に見えるのは、麻雀の和了にはロンとツモの二種類があるため。放銃はロンだけですから、お互いにリャンメン待ち同士だとしても2:1になります。(『統計学の麻雀戦術』でも、8巡目で和了49%放銃16%なので3:1に近い)

 8巡目ということは西家北家なら残りツモ9回。つまり、「全員が降りる先制リャンメンリーチ」と、「先制リーチに対して追いかけリャンメンリーチ」の和了率がほぼ同じ。放銃やツモられがある分後者が不利ということになります。

 もっとカウンター狙いが有利になるケースを仮定してみましょう。「後手ならリーチしない程度の価値の低い先制リーチ」を打たせることが目的ですから、先制リーチは必ずカンチャン待ちであるとします。

 

 8巡目追いかけリャンメンリーチの値を詳しくみると、和了49%放銃16%被ツモ22%横移動10%流局3%。麻雀の局ごとの結果はこの5通りのうちのいずれかで、確率の総和はもちろん100%。押し引き判断をする際は、5通りの結果の総和が100%になることを踏まえて、内訳がどのようになるかをイメージするようにしましょう。

 お互いリャンメンリーチの場合は和了:放銃=2:1だったので、こちらがリャンメン、相手がカンチャンなら4:1。被ツモが放銃より6%高いのは、自分のツモ番より相手のツモ番が先にくるため。相手が必ずカンチャン待ちとすると、被ツモ率は放銃率の3%ほど高くなると考えられます。相手が必ずカンチャン待ちとなると横移動率がやや下がり、流局率はやや上がりそうですが、結果に与える影響は薄いのでここはそのままにしておきます。

 放銃率をXと置くと、和了4X被ツモX+3と置けるので、4X+X+X+3+10+3=100 方程式を解くとX=14。先制リーチ必ずカンチャン待ちでこちらがリャンメン待ち。残りが同じ条件とすると和了56%放銃14%。全員が降りた場合(和了50%)より和了率が6%高くなりました。

 しかし全員が降りた場合は、和了はツモの1翻がついて必ず跳満以上(子12000点)。和了できなかったも流局一人聴牌。リーチ棒出費を差し引いても2000点獲得できます。倍満以上になるケースを考慮しないとしても、局期待値は7000点。追いかけリーチは和了56%和了打点11000点なので和了ポイントだけでも6160止まり、放銃、ツモられの失点があるので、局期待値のうえでは、やはり先制リーチに分があると言えそうです。

 ただし、和了率が後手リーチ>先手リーチにも成り得るという視点は重要でありましょう。前回申し上げたように、麻雀は素点よりも順位を競うゲーム。跳満ツモよりも、特定他家への満貫直撃の価値が高い点数状況はいくらでも想定できます。

 しかもそのような順位が結果に密接に関わって来る局面ほど、「正着が打てるかどうか」が戦績に著しく影響します。前回の繰り返しになりますが、リーチを打たない選択にも分がありそうなケースほど、本当にリーチが得と言えるのか慎重に見極めるようにしたいですね。

 御一読いただきありがとうございます。次回も、「一般論として正しい」とされるセオリーが、果たして本当に正しいのか、どんな局面なら当てはまらないのかについて考察していくことにいたします。

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