雀魂プレイヤーの集い

雀魂非公式不完全未攻略無読本その8「スジ待ちは本当に和了しやすい?」

 前回はカンチャンを数種と、リャンメンに当たるかどうかで区別して和了率を出してみました。カンチャンの中で最も和了率が高かったのはスジ28の55%でした。

 この55%というのは、カンチャンが4枚とも残っている場合の値。一方リャンメン待ちの57%というのは枚数を問わない値。枚数がかなり少なくなっているケースを含めてもこの値なのですから、カンチャン側に和了しやすい条件をつけたとしても、リャンメンの壁を超えるのは難しいといえそうです。

 ある程度麻雀を打ち慣れるようになると、スジだからという理由で安易にリーチに通っていない牌を切ることも少なくなるので、リャンメンほどではないにせよ、スジ待ちの和了率の高さに違和感を覚える方も少なくないかもしれません。

 この感覚自体は決して間違っているとは思いませんが、対戦相手は三人います。自分一人だけならスジという理由で切ることはさほど多くないかもしれませんが、三人もいれば誰か一人は、「スジ程度なら切る」と判断することはさほど珍しくありません。

 しかし、スジ待ちなら毎回この程度和了しやすいかと言われれば、そういうわけでもないでしょう。スジ待ちの中でも警戒されやすい待ちの一つとして、リーチ宣言牌のスジ。いわゆるもろ引っ掛けの形があります。

 リーチを受ける立場の視点から、「宣言牌のスジ」がどの程度放銃率が高くなるのか。『科学する麻雀』(講談社2004年)ではさほど変わらないとされていましたが、『統計学のマージャン戦術』(竹書房2017年)では宣言牌かどうかで明確に放銃率に差がある(無スジほどではないが、非宣言牌のスジとの比較であれば放銃率が2倍近くまで上がる。)という結論が出ており、より実戦に近い値になっていると考えられます。

 理由は「非宣言牌スジと宣言牌スジ」との比較をすることで放銃率の差が明確になったためでしょうか。牌の性質上、135のような形は聴牌まで残されやすく、聴牌したら5を切ってリーチされやすい。『科学する麻雀』では、「宣言牌スジとスジ全体」を比較していましたが、スジ待ちの多くは宣言牌スジになるので、全体でみた場合に放銃率にあまり差がつかなかったものと考えられます。

 しかし、リーチを受ける側の立場からすれば放銃率に結構な差があるにも関わらず、リーチをかける側の立場でみると、宣言牌のスジ待ちは和了率が若干下がるとはいえ、それほど差がつかないという結論になっています。(スジ全体、宣言牌、非宣言牌、無スジ全体で分けると、スジ28の場合それぞれ55、54、57、46%。スジ37の場合は51%、50%、53、43%)

 ただしこれは、宣言牌スジ待ちが警戒されないというよりは、「宣言牌のスジ以上に警戒されやすい非宣言牌スジ待ちの存在」の影響であまり差がつかなくなっているというのが個人的な見解です。

 例えば1萬5萬と切ってリーチなら2萬は宣言牌スジですが、5萬を1枚だけ持っている場合も1萬よりは残されるので、特別2萬が危険というほどでもありません。その一方で5萬1萬と切ってリーチなら2萬は非宣言牌スジですが、5萬より1萬が残されたことから1萬は「2+1枚」の形から切られた可能性が高い。122萬から1萬切り、あるいは113萬から1萬切りであれば2萬待ちが当たりになります。少なくとも宣言牌スジよりは放銃率が高くなると考えてよいでしょう。

 そのことを踏まえると、「特に警戒されやすいスジ」の和了率は無スジに近い一方、「警戒されづらいスジ」の和了率はリャンメンに近く、トータルで見た場合はリャンメンと無スジカンチャンの中間程度の和了率に近いというのが実態であると思われます。

 細かい条件をつければつけるほどサンプル数が少なくなり、統計データから結論を得ることが難しくなるので推測の域を出ませんが、データを参考にするのは言うなれば、「森の外から森を見ること」。読みに基づいて河から当たりやすい牌を推測するのは、「森の中から木を見ること」。森を見たければ森の外に出なければなりませんが、木を見たければ森の中に入らねばなりません。今見るべきものは森なのか木なのか。その立て分けをしっかりできるようにしたいですね。

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