雀魂プレイヤーの集い

雀魂非公式不完全未攻略無読本その10「シャンポンかカンチャンか」

カンチャンとシャンポン。枚数は同じ4枚ですが、一般的にはシャンポンの方が和了率が高くなります。「1種類よりも2種類の方が、他家に待ち牌を止められにくい」ためです。

 ところがデータに基づく麻雀研究が行われる以前は、「シャンポンよりカンチャン」というセオリーもあり、研究結果が出てからも反論が多数寄せられました。現在は両者とも主張を訂正されていますが、反論を寄せた方には麻将連合の小林剛プロ、麻雀ライターの福地誠氏等、麻雀に対する実力も造詣も申し分ない方もいらっしゃいました。

http://www9.plala.or.jp/majan/wst13.html

https://ameblo.jp/nyanyami2011/entry-11764202490.html

 シャンポンよりカンチャン説の根拠は、シャンポンは既に同じ牌を自分で2枚使っている、それだけ相手からしたら入りにくいので有効牌となりやすい。よって場に打たれにくい。カンチャンの待ち牌だと、相手がダブつくことがあるので余剰牌となる。というもの。『麻雀放浪記』の阿佐田哲也氏が提唱されたセオリーとありますが、実はそれよりもっと昔。中国古典麻雀の時代から「双碰不如一嵌」と言われていたのでありました。

 シャンポンは待ちが多岐にわたることもあり、戦術書にも具体的な待ち牌別和了率が記載されていません。上記リンクに和了率のデータがありますが、シャンポン待ちはサンプル数も少なくなっています。

 それから数年して、サンプル不足の問題を解決する画期的な方法を編み出された方が現れました。『勝つための現代麻雀技術論』では、その方のデータを引用させていただきました。

 https://jantama.sinoa.ws/blog/?p=4121

 「和了率」と書きましたが、前回の方針を採用して和了率をAと表記します。XとYのシャンポン待ちのAは、XのAをx、YのAをyと表記すると、確率の加法定理からA=x+y-xy/100(%表記)となります。28と37のシャンポン待ち(4枚残り)なら、書籍内の表よりx=31.7y=25.5なのでA=49.12となります。リンク先のデータよりAの値が低くなりましたが、それでも28カンチャンのAよりもまだ結構高いですね。

 しかし、データ上の「2枚アガリ率」は、「2枚切れカンチャン」を想定したもの。場に見えた牌ほど他家に使われにくいことから、枚数が同じなら場に見えた牌ほどアガリ率が高いと考えられます。

 このギャップを埋めるためには、和了時ツモ割合(ツモ和了率をT、ロン和了率をRと置くと、A=T+R、ツモ割合=T/A)から、「手牌で2枚使っている2枚アガリ率」を推測する必要があります。『統計学のマージャン戦術』のデータではツモ割合も記載されているのでそちらを参考にすることとします。

 片無スジ456待ちを想定します。『統計学』のデータでは4枚カンチャンの場合A=40、T/A=53。2枚カンチャンはA=24、T/A=48 2枚シャンポンは0枚見えなので、ツモ割合は4枚カンチャンと同程度と考えられますが、T/A=57の2枚両無スジカンチャン456でもA=23なのでこれを下回ることは考えにくい、2枚シャンポン片無スジ456がA=23であるなら、片無スジ456同士のシャンポンは40.71%。A=24としても42.24%。まだシャンポン待ちの方がややアガリ率が高いとはいえだいぶ僅差になりました。これならカンチャン側が端寄りのケースはカンチャンの方が和了率が高くなると言えるでしょう。

 http://epsilon69399.blog20.fc2.com/blog-entry-978.html

 こちらは『現代麻雀最新セオリー』にも引用されたカンチャン、シャンポン和了率比較。全体的にはシャンポン>カンチャンだが、カンチャン側が端寄りならカンチャン>シャンポンという結論になっています。『科学する麻雀』のデータだと、カンチャン側が端寄りでようやく互角というところです。

 このギャップはどこから来るのか。ここからは私の推測に過ぎませんが、『科学する麻雀』および、『勝つための現代麻雀技術論』の待ち別和了率のデータは東風荘の牌譜データ。後の研究については天鳳のデータが元になっていることに依るものだからという説を主張します。

 東風荘はクイタン無し。天鳳はクイタン有り。クイタン有りだとトイツが残されやすく、22388mから8mポン打3mとすると2mが雀頭で固定され河に切られることが無くなります。よって、クイタン無しの場合に比べて対子が残されやすく、「互いに持ち持ちになっている対子が河に切られる」頻度が下がり、その分シャンポン待ちの和了率が下がっていると言えるのではないでしょうか。

https://note.com/70k1ing/n/n887fec93836d

 最近、雀魂にて期間限定で「赤血の戦」ルールが導入されました。このルールの元となっているのが「四川血戦」というものですが、このルールの主な役はトイトイ、チートイツ、チンイツ、カン絡みとほぼ対子、刻子関連。現在のリーチ麻雀のようにリーチも無ければ、順子関連の役もありません。

https://w.atwiki.jp/mahjlocal/pages/4160.html

 「シャンポンよりカンチャン」というセオリーは中国古典麻雀の時代からあると申しましたが、四川血戦の採用役は、中国古典麻雀のそれに近い。現在の麻雀よりずっと刻子の価値が高く、相対的に順子の価値が低かったのです。先述の理由から、なおのこと持ち持ちの対子が切られづらくなるのでシャンポン待ちが和了しにくくなることは容易に想像できます。

 現在のリーチ麻雀は順子系の役が豊富で、リーチとドラがあるので刻子系の役を作らなくても高打点の手になりやすい。そのルール下における和了率がシャンポン>カンチャン(ただしクイタン有りルールにおいてはそれほど大きな差ではない)なのですから、今ほど点数計算がインフレしておらず、刻子系の役の価値が高かった旧来のルールにおいては、カンチャン>シャンポンというのも間違いなかったのではないでしょうか。

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